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アスベスト関連ニュース
2023年11月8日(水)
建設アスベスト九州2陣訴訟が結審
来年6月27日に判決
10月5日に九州2陣訴訟が結審。判決言い渡しは来年2024年6月27日と指定されました。
2陣訴訟提訴は2018年2月26日。5年7ヶ月余、23回の裁判期日を経た結審期日に原告21人を含む142人が参加しました。
被災者全員の名前をあげて被害を訴えた最終弁論
最終弁論では、田中謙二弁護団事務局長が、被災者全員、ひとりひとりの名前をあげて建設アスベスト被害の有様を述べました。
余命宣告を受けた本人と家族の例えようのない衝撃。息子の結婚の晴れの日を見ることなく亡くなった者。部屋中に酸素吸入チューブを張り巡らせた中での暮らし。酸素が切れれば死につながるという恐怖。悲しみのあまり葬儀にも出られなかった妻。食事が通らなくなり骨と皮のようになったからだを観る家族の心情。「こんなに痛いなら早く天国にいきたい」という夫のメモを死後に見つけた妻。「死にたい」と言う夫に「私も一緒に死んで楽になろうか」と語りかけた妻。「なんで今私は一人なの」と今も喪失感から立ち直れない妻。「もう死にたい」というのが最期の言葉だった被害者。
それぞれの被害者と家族の苦しみを語り尽くすことは到底できないことですが、この陳述の間、法廷はすすり泣きの声に包まれました。
解決の道に踏み出すことを求めた山本弁護団長の陳述
「被告企業は、シェアについて自らの資料はほとんど提出しないまま、シェア資料や自社のアスベスト建材について、重箱の隅をつつくような本質的でない張に拘泥しています。全被害者についてシェアによる賠償義務を分担することができる基金への参加が、被告企業にとっても最も好ましい解決方法ということにはならないでしょうか」と陳述しました。
公正判決要請署名(個人・団体)の取り組みに全力を
建設アスベスト訴訟全国連絡会では、全国の訴訟団と支援組織の力を合わせて「建設アスベスト被害者給付金法を改正し建材企業が参加する補償基金制度の創設を求める」国会請願署名を引き続き取り組んでいます。
あわせて、6月27日の九州2陣訴訟判決に向けて公正判決要請署名を広げ、一社でも多くの建材企業への賠償命令を勝ち取り、原告・家族が「やすらかなくらしと命を奪われた被害」に見合った賠償を勝ち取るため、「自分のこと」として仲間の皆さんの力をあわせて訴訟の勝利を目指して奮闘中です。
2023年11月08日 | アスベスト関連ニュース |