2023年9月
薬王寺温泉(古賀市)
薬師如来を祀り、霊泉を温泉に
今回紹介するのは、古賀市にある博多の奥座敷 薬王寺温泉です。今回唯一宿泊ができる、鬼王荘の三代目の女将さん、原田結美子さんに取材しました。
薬王寺温泉の歴史は、その昔、薬師如来の尊像を背負い、鬼王と京王という2人の子どもをつれた1人の立派な侍がこの里にたどりつき、里人の情にほだされてこの地に住みつくことになりました。実は、この侍は清和天皇のご子孫で身分の高い人でしたが、わけあって都を追われる身となったお方でした。この侍はある日重い病で床に伏しました。ある夜、日頃信仰する薬師如来が夢枕に立たれ「この山里の谷川に薬水を流す、これを浴びるとよい。必ず病は癒えるであろう」とお告げがあったので早速その通りにすると、不思議なことに病が癒えたそうです。父が病床についた頃から毎日家の前の谷川に来ては水を浴びていた一羽のやせおとろえた、鷹も元気よく飛び立って行きました。
鬼王からその話を聞いた父は、この鷹こそ薬師如来の化身であり、われわれに、暗示を与えていたにちがいない、それ以後ひたすら精進したのち、里人の勧めにより小さなお寺を建て薬師如来をまつり薬王寺と名づけたそうです。その後お寺は朽ちてしまいましたが薬王寺と言う名前は、この山里の地名となって残り、霊泉は、今日に至るも、尚こんこんと湧き出ているそうです。
この薬王寺温泉の近くには、水辺公園や興山園と言う自然公園もあり、5月末から6月始めには、ホタルが乱舞します。また旅館鬼王荘では、お昼ランチやカフェ、日帰り入浴もできます。ぜひ一度訪れて観て下さい。
2023年9月